Category: インプラント

インプラント医を選ぶ際の注意点

当院では5000本以上のインプラント治療の実績があり、もちろん、1本たりとも上顎洞に落とし込んだことはありません。当院のようにインプラント治療を専門で行っている医院からみても、経験が少なく、対応できる症例が限られるドクターが、安易にこういった難しい治療はすべきではないというふうに考えます。
なぜなら、インプラントを排除する手術の方が困難であり、場合によっては骨を切除してインプラントを取り出さなければならなくなるような大がかりな手術となるためです。
ですから、難しい治療はインプラント治療を専門的に行っている歯科医院で実施されるようになるべきだと考えます。
CTがあるから100本、200本の少ない経験でも安全ということではけっしてなく、インプラントの専門医として治療経験年数が長いことはもとより、個々の患者さまの状況に応じて、適切に対処できる経験の豊富な歯科医院を選ぶべきだといえます。

インプラント手術におけるミスはなぜ、起こるのか

現在、インプラント治療も多岐にわたり、さまざまな症例に対して手術が可能となっています。なかでも、 “難症例”といわれ、これまではインプラント治療が難しいとされてきた症例についても、骨再生療法などの最先端の治療法を用いることでインプラントが可能となっています。
ただ、最近においては難症例におけるインプラント手術のミスも報告されています。臼歯部に骨の厚みが2~3㎜しかないといったケースも難症例の一つですが、インプラントの埋入時に臼歯部の骨を突き抜けて、その上方にある“上顎洞”というスペースにインプラントを落下落させたというケースが報告されています。患者さまから、奥歯の上方でカラカラ音がするという訴えがあり、CTを撮ってはじめて、上顎洞にインプラントが発見されたというケースです。CTを設置しているにも関わらず、こうしたミスが起こりうるとすれば、手術に当たったドクターの経験が少ないがゆえに起こしたしまったケースと考えられます。
※上顎洞 副鼻腔の一つで、鼻の両脇の奧にある空洞のこと。

1度治療したら2度としない治療を

審美治療はその名の通り、審美的な価値に重点をおいて口元の自然さ、美しさを追求する治療ですが、美しさにこだわるということはじつは口内環境が整って歯と歯ぐきが健康で長持ちすることにもつながります。

健康な歯肉が獲得できれはブラッシング一つでそれを維持することが可能となります。逆にマイクロギャップ(ごく微小なヒビやすき間)のある補てつ物や被せ物がある場合はブラッシングするたびに出血が伴う場合があります。こうした状態を放置することで歯周炎や歯周病の進行を促すばかりでなく、本人にとってもお口の中の不快感や口臭などが長年続くことになります。

一方で、精密な治療により歯周病やむし歯を寄せ付けない口内環境が維持できていれば、出血による不快感もなく、ブラッシングが楽しくなる生活を送ることができます。

適合性のよい治療を受けるためにはどうしても自費診療となり、一時的に費用はかかりますが、長期的に考えた場合には高いアドバンテージが得られるといえます

当院では基本的には1度治療したら2度としなくてもすむ治療、抜歯も極力しないという治療を理想に掲げており、 “1口腔1単位”という考えのもと、矯正から始まり、歯の欠損がある場合にはインプラント治療を行って両隣在歯を健全維持することがベストであると考えています。

インプラント、補綴治療(金属フリー治療も含めて)、印象採得、技工士の選別までが一つにつながった総合的治療を実現してこそ、可能になると考えています。

インプラントメーカーそれぞれの特徴を踏まえて

インプラントの種類や適応症例の幅が広く、なにより伝統と歴史では他の追随を許さないのがノーベルバイオケア(ブローネンマルク)社です。

一方、インプラントの種類の多様性や意外性は少ないものの、クォリティも高く、骨に早くつくという考え方を重視している点ではITIが最も進んでいるといえます。

また、外科的な使い勝手のことでいえば、やはり歴史あるノーベルバイオケア社が一歩先んじているといえ、メーカーそれぞれに得意分野があり、特徴があるといえます。

インプラントの保証システムについて

インプラント本体について保証システムを設けているメーカーはまだまだ少ないのですが、ノーベルバイオケア社は日本で唯一、インプラント本体の10年保証を設けているメーカーです。同社のインプラント1本1本にロット番号が付与されており、その番号があることによって保証対象となります。

 

一方でロッド番号のないインプラントのメーカーももちろんあります。とくに激安インプラントではこうした保証制度は期待できないといえます。

 

なお、当院では10年保証を設けております(インプラント終了後、6ヶ月ごとのメンテナンスが必要となります)。患者さまがインプラント治療を受けられる場合、こうした保証システムの有無についても考慮されることをお勧めします。

 

また、治療終了後に通常、検査資料やインプラント体やかぶせ物の保証書などを一括したファイルを患者さまにお渡しているクリニックも多いのですが、いずれにせよ、どのような治療を受けたのか、インプラントの種類や治療内容などについて患者さま自身がわかるようにしておくことが肝心です。10年、20年後に他院で治療を受ける場合やインプラントの再製作が必要になったときに必要となるからです。

インプラント本体の価格の違いとは

インプラントの治療費については現在、1本30〜50万円が相場といわれていますが、中には1本10万を切る“激安インプラント”の広告もよく目にします。

治療費にはインプラント本体のほか、上部構造(かぶせ物)の価格も含まれますから一概にはいえませんが、治療費が安い場合はインプラント本体も低価格のものを使っている可能性が大きいといえます。

blog1

実際にインプラント1本が長年実績のあるインプラントの数分の1という価格のインプラントもあります。海外に行くと、30本まとめて買うとさらに半額に値引きされたというウソのような話も聞きます。そうしたインプラントの場合は品質管理において非常に不安があるといわざるを得ません。

 

インプラント本体の価格はメーカーによって異なっていて、チタンそのものの品質の違いはもとより、精密な加工技術に要する製作コストや研究開発費のほか高品質のインプラントを安定的に供給できる体制の維持、さらにはインプラント本体の保証制度の有無など信頼できるメーカーであればあるほど、それぞれにかかるコストもアップし、それがインプラント本体の価格にも反映するため、ある程度高価なものとならざるを得ません。

 

一方で低価格のインプラントの場合は、本来、必要なコストをどこかでカットしている考えざるを得ないのですが、その品質をどこまで開示し、保証しているかが明確ではありません。

低価格インプラントがすべて悪いというわけではなく、ドクターの考え方次第ですが、安全性や耐久性といった面でリスクを伴うことだけは確かです。

 

当院ではインプラント治療の成功率にはインプラント本体の治療実績や信頼性が大きく関わってくると考えているため、費用はかかっても信頼度や実績を優先して安全、安心のメーカーのものを使用しています。

近代インプラントのルーツ

インプラント関係の情報を見ているとブローネマルクという言葉に出会うと思います。
実はブローネマルクは人の名前でインプラントをはじめて開発した人物です。

hakushi

ブローネマルク博士

ベル・イングヴァール・ブローネマルク博士。博士はスウェーデン人で1950年代に血液の流れに関する基礎研究を行っていました。
動物の体内にチタン片を埋め込んで治療経過を観察していたところ研究終了後、このチタンが骨から外せなくなりました。
この現象にヒントを得たブローネマルク博士は研究をかさね、チタンが骨組織と特殊な方法で結合することを明らかにしました。
そしてこの現象をオッセオインテグレーション(骨結合)と名付けました。その後さらに研究を重ね、1965年にインプラントとして歯科分野での治療がはじまりました。

世界ではじめてこの方法でインプラント治療を受けた患者さんが40年経ってもインプラントが機能していたことも有名なお話です。

50代以上の女性に多い骨粗しょう症とインプラント

女性はとくに50代前後から“骨粗しょう症”といって、骨の中が非常にやわらかくなる状態になる方が増えてきます。
いちがいにすべての方に当てはまるわけではないのですが、無歯顎(歯がまったくない)だったり、欠損が多かったりするとあごの骨に対する刺激が少ないがゆえに骨密度が低下し、粗造な骨になりがちです。

FQ157_L

ただ、このような状態であっても、インプラント治療がきちっとなされしっかりと噛めるようになると、術後1年以上経過した後に骨の密度が非常に高くなっているケースが多くみられます

このことはCTによる骨密度の測定がされるようになってわかってきたことですが、機能している歯及び機能しているインプラントにおいてはあごの骨の密度を取り戻すことが可能であると考えられます。

 

歯を失うと口元が落ちくぼんでしまい、どうしても老け顔の印象になりがちですが、インプラント治療によって噛む機能を取り戻すと骨量も増え、同時に咀嚼筋も発達してきてお顔を若々しく保つことができます

 

このようにインプラント治療においては健康状態を維持しながらアンチエイジングに相当するメリットが提供できると考えています。

ワールドデンタルショーで新開発のインプラントについて発表

横浜市のパシフィコ横浜で開催された第7回ワールドデンタルショー(10月10〜12日)で、このほど新しく開発されたインプラントの表面性状とその素晴らしさについて発表を行いました。

 

同デンタルショーは歯科医療機器、パソコン、材料、書籍などが一堂に展示され、最新の情報が集結する日本最大級のデンタルショーで、出展企業も300社以上ということでたいへんな盛況でした。

01

中村院長のセミナーに参加

九州インプラントセンター(熊本市中央区)の中村社綱院長の「GBRテクニックについて」のセミナーに参加してきました。

 

中村先生とは20年来のお付き合いで私のインプラントの師匠であり、尊敬してやまないドクターです。先生のセミナーには毎回、欠かさず参加しており、今年は5月からすでに5回を数えています

 

「インプラント治療における正確で低侵襲な治療は安心・安全な治療を提供するうえで非常に重要なポイント」とおっしゃる中村先生の教えは毎回、新しい発見があり、私にとって得るものが大きなセミナーです。